【映画沼 第2回】2017年の映画を振り返る・前編
- 大江
- 2018年1月17日
- 読了時間: 11分
あけましておめでとうございます
今年も団員ブログインナワTIMESをよろしくお願いいたします
さて連載も1周しまして2018年1本目は再び映画の話
今回は2017年公開された映画の中から私が独断と偏見と気分で選んだものをご紹介します
そんなんいってお前の映画力はなんぼのもんじゃい
という熱い疑問にお答えいたしますと
去年見た映画は415本でその内新作が96本でした
もちろん本数だけで映画力ははかれませんが
ドラゴンボールで言うとだいたいサイバイマンくらいはあるんじゃなかろうかと

←私(たち)
ネタバレは基本しないつもりなのでご安心ください
順番は思いついた順で特にランキングというわけではありません
それではさっそくいってみましょう
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1.ベイビー・ドライバー

主人公のカッコよさ:☆☆☆☆☆
ヒロインの可愛さ :☆☆☆☆☆
スカッと爽快 :☆☆☆☆☆
御託はいい見ろ度 :☆☆☆☆☆
予告編
あらすじ
ベイビー。その天才的なドライビング・センスが買われ、組織の運転手として彼に課せられた仕事―それは、銀行、現金輸送車を襲ったメンバーを確実に「逃がす」こと。子供の頃の交通事故が原因で耳鳴りに悩まされ続けているベイビー。しかし、音楽を聴くことで、耳鳴りがかき消され、そのドライビング・テクニックがさらに覚醒する。そして誰も止めることができない、追いつくことすらできない、イカれたドライバーへと変貌する―。 組織のボスで作戦担当のドク、すぐにブチ切れ銃をブッ放すバッツ、凶暴すぎる夫婦、バディとダーリン。彼らとの仕事にスリルを覚え、才能を活かしてきたベイビー。しかし、このクレイジーな環境から抜け出す決意をする―それは、恋人デボラの存在を組織に嗅ぎつけられたからだ。自ら決めた“最後の仕事”=“合衆国郵便局の襲撃”がベイビーと恋人と組織を道連れに暴走を始める―。
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〈2017年私的映画ランキングぶっちぎり1位〉
ランキングじゃないって言っておきながら舌の根の乾かぬ内に前言撤回しますが
私にとって2017年の1位は間違いなく『ベイビー・ドライバー』です!
とにかく問答無用におもしろい!
ジャンルは強いて言えば
ハートフルバイオレンスラブコメディカーアクションミュージカル
ラーメンの全部のせ?
いやいやそんななまっちょろいもんじゃない
ラーメンとカレーとお好み焼きと寿司と焼肉を食った後にでかいパフェ食うとかそんなレベル
ようこそ高血圧の世界へ
「この世の全てを置いてきた」で有名なひとつなぎの大秘宝(ワンピース)ですけど
宝箱の中にこの映画のブルーレイが入ってても全然許せますね
むしろさすが海賊王ゴールドロジャーわかってるなと
そんなに詰め込んで大丈夫なのか
糖尿病にはならないのかと心配になるかもしれませんが
それぞれの味が殺しあうことなく見事なハーモニーを奏でています
案外食べられるわ
むしろまだまだいけるわという意欲すらわかせます
血糖値のことはこの際思い切って忘れましょう
ちなみにミュージカルと言っても特にみんな歌ったりはしません
ただ全編にかっちょいい音楽が流れててそれに合わせて映画が展開していくんです
登場人物の動き、セリフ、カットのつなぎなど目に映るいろんなものが音楽と絶妙に絡み合い
これが最高に気持ちいい!
1人で映画館で見ていたんですが
正直動きたくて体がムズムズしました
というか実際ちょっとモゾモゾしてました
隣のカップルはさぞ気持ち悪かったことでしょうね
ざまぁ!
バイオレンスな部分が多少なりともあるので小さいお子さんにはおすすめしませんが
中高生以上のみなさんは何をおいてもまずこれを見ることをおすすめします!
公式サイト
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2.マンチェスター・バイ・ザ・シー

名作の風格 :☆☆☆☆☆
ビターな人生 :☆☆☆☆☆
甥のヤリチン度:☆☆☆☆☆
予告編
あらすじ
アメリカ・ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラーのもとに、ある日一本の電話が入る。故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョーが倒れたという知らせだった。 リーは車を飛ばして病院に到着するが、兄ジョーは1時間前に息を引き取っていた。 リーは、冷たくなった兄の遺体を抱きしめお別れをすると、医師や友人ジョージと共に今後の相談をした。兄の息子で、リーにとっては甥にあたるパトリックにも父の死を知らせねばならない。 ホッケーの練習試合をしているパトリックを迎えに行くため、リーは町へ向かう。見知った町並みを横目に車を走らせるリーの脳裏に、過去の記憶が浮かんでは消える。仲間や家族と笑い合って過ごした日々、美しい思い出の数々——。
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〈人生を生きるということ〉
壊れて戻らないもの
時間が流れてもどうしようもないもの
抱えて生きていくしかない
兄の死により離れていた故郷に帰ってきたリーが向き合わなければいけないものとは
人と人との距離
主人公と甥、元嫁、昔馴染み
失われていた距離がまたつながり
面倒くさかったり
傷ついたり
それは人生を「生きる」ために必要なこと
↑のポスターは別れた夫婦が話すシーンなんですが
2017年見た新作映画の中で1番印象に残ったシーンです
壊れてしまった関係を修復することもつなぎとめることもできない
それをわかっていながら2人ともお互いいたわるような会話をします
演技・演出ともに繊細で抑制されていてすばらしいです
生きていくことに答えはない
この物語は過度に前向きでも後ろ向きでもなく
あるがままです
そこがぐっときました
公式サイト
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3.雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

主人公ぶっ壊れ度:☆☆☆☆☆
ラストにニヤリ :☆☆☆☆☆
邦題のセンス :☆☆☆☆☆
予告編
あらすじ
デイヴィスは出世コースに乗り、富も地位も手に入れたウォールストリートのエリート銀行員。高層タワーの上層階で、空虚な数字と向き合う、味気ない日々。
そんな会社へ向かいいつもの朝、突然の交通事故で美しい妻を失ったー。
しかし一滴の涙も出ず、悲しみにさえ無感覚になっている自分に気づいたデイヴィス。
彼女のことを本当に愛していたのか?
僕の心はどこにいってしまったんだー?
「心の修理も車の修理も同じことだ。まず隅々まで点検して、組み立て直すんだ。」義父からの言葉が引き金となり、デイヴィスは、身の回りのあらゆるものを破壊しはじめる。会社のトイレ、パソコン、妻のドレッサー、そして自らの結婚生活の象徴である「家」さえもー。あらゆるものを破壊していく中で、デイヴィスは妻が残していたいくつもの“メモ”を見つけるのだが…
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〈愛の発見と再生〉
妻を亡くした直後の主人公の独白で「すべてが象徴化した」みたいなのがあるんですが
これが印象的でおもしろいです
当然あるはずのものを突然失くしてしまった
デイヴィスの心の彷徨は現実世界で奇行になります
ヘッドフォンで音楽を聴きながら雑踏の中で踊りだしたり
家を破壊したり
見知らぬ人にやたらと話しかけたり
そんな中出会った母子と彼は少しずづ自分の生活を追憶していきます
主人公の上司兼義父がとってもいいキャラ
ちょっとキテレツになってしまった主人公に半ば呆れながら
突き放しきれない同情を感じている
いろいろ割り切れない人間の多面性を見せてくれます
ラストシーンも胸のすくようなカタルシスがあり心地よく尾を引きます
原題は『DEMOLITION』(破壊)なので、なんでこんな邦題?って思う人もいるかもしれませんが
これは映画の中にでてくるセリフのひとつでこれを邦題にしたのはグッド
ちなみに2016年の邦画『永い言い訳』と同じアイディアを競作したのかというくらい似ていて
それぞれおもしろいので見比べてみるのも一興かと
公式サイト
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4.イップ・マン 継承

美しいカンフー :☆☆☆☆☆
美しい夫婦愛 :☆☆☆☆☆
木人椿(←の木)がほしい:☆☆☆☆☆
予告編
あらすじ
1959年。好景気に沸く香港は、その一方で、無法地帯になりつつあった。裏社会を牛耳る最凶の不動産王・フランクによる暴挙から町を守るため、静かな達人イップ・マンは立ち上がる。だがそれは、自身の家族をも命の危険にさらすことを意味していた。
さらには、武術“詠春拳”の正統をめぐって挑まれた死闘・・・。果たしてイップは、人生において最も大切なものを見出し、守り、伝えることができるのか?
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〈ハートフルカンフー〉
ブルースリーの師匠イップマンが大活躍するアクションシリーズの第3弾
別に前2本を見なくても理解するのに問題はないけれども
感動の深さのためにできれば3本とも見てもらいたい押し売りスタイル
このシリーズの魅力はなんといっても主人公イップマンを演じる
いまやスターウォーズ俳優ドニー・イェンの詠春拳アクションです
その俊敏さと柔軟さからは目が離せません
早すぎてリアル八手拳みたいな感じになります

八手拳(弱い)
そしてイップマンは優しくて強い王道ヒーローなので心温まるストーリーも魅力です
アクションとハートフルの融合
それがこの3本目で極まりました
病気の奥さんを背中で守りながらエレベーターの中で戦うシーンや
決闘よりも奥さんとのダンスを優先させるシーン
白状します
私、図らずも落涙いたしました
上の感動2作品ではしびれるくらいだった私の涙腺がイップ夫妻の絆には勝てませんでしたよ
ちなみにマイクタイソンが出ててちゃんとイップマンとの闘いもあるんですが
現役を退いてずいぶん経つのに正面からのショットで低く構えながら迫ってくる圧力はさすがでした
公式サイト
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5.スイス・アーミー・マン

予告編のおもしろさ :☆☆☆☆☆
ナニコレ感 :☆☆☆☆☆
無駄に胸に迫るラスト:☆☆☆☆☆
予告編
あらすじ
無人島で助けを求める孤独な青年ハンク。いくら待てども助けが来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたまさにその時、波打ち際に男の死体が流れ着く。ハンクは、その死体からガスが出ており、浮力を持っていることに気付く。まさかと思ったが、その力は次第に強まり、死体が勢いよく沖へと動きだす。ハンクは意を決し、その死体にまたがるとジェットスキーのように発進!様々な便利機能を持つ死体の名前はメニー。苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。果たして2人は無事に、大切な人がいる故郷に帰ることができるのか──!?
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〈君(死体)の名は。〉
ここまでの映画の中では圧倒的に変な映画です
まずこのポスターの出オチ感をご覧ください
このシーン死体にたまったガスを利用して海を突き進んでいるところです
お客さんここで面喰っちゃいけません
何せこのシーンオープニングですから
そして縄で手綱を取られている男
何を隠そうダニエルラドクリフです
そうハリーポッターです
ちなみにこの映画でははじめから終わりまでずっと死んでます
死体だけど出ずっぱりだしなんだったらちょっとしゃべります


きゃわいぃぃ ヒエッ
この映画なにがよかったって予告編がめちゃくちゃおもしろかったんですよ
映画館によく行ってると予告の時間って結構マンネリなんですが
この映画の予告は毎回楽しみにしてました
スイスアーミーナイフっていうのは十徳ナイフのこと
つまりスイスアーミーマンは十徳人間のことです
それがハリーもといメニーです
死体を活用してサバイブする
自分で書いててなんだそりゃってなりますが事実そういう映画です
ただ生還して終わりという単純な話でもありません
この映画ぼっち気質であればあるほど主人公のむなしさやせつなさみたいなものを
リアリティをもって感じることができるでしょう
映像がやたらとスタイリッシュだったり
話がぶっ飛んでるようで急に現実感が迫ってきたり
いろいろヘンテコな映画ですが
なんか心に残るものがあります
ラストシーンで登場人物の1人が「なんなのこれ(What a fuck?)」って言うんですけど
いやこっちのセリフだよってつっこまざるを得ない見事なオチで謎の爽快感が味わえます
公式サイト
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今回はひとまずこれまで
後半へつづく(cv.キートン山田)
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