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【映画沼 第4回】2017年の映画を振り返る・外伝

  • 大江
  • 2018年3月31日
  • 読了時間: 15分

前編はこちら

後編はこちら

みなさんお疲れ様です

まさか桜が咲くころまで2017年の話をしているとは思ってもみなかったでしょう

驚くなかれ私もそうです

それもこれも私が予定をすっぽかしまくったからなんですが

とうとうこのブログの編集を担当してくれている後輩からこんなLINEが送られてきました

なんということでしょう

後輩がミナミの帝王になってしまったのです

「お前はもはや先輩でもなんでもない、ただの債務者なんだよ」と言わんばかりです

普段は温厚で「お、おむすびが大好きなんだな」とか言う山下清みたいな男なんですが

あろうことか180度方向性の違う竹内力にイメージチェンジしてしまいました

このかなしい現実に私は罪の重さを痛感しました

これからは心を入れ替えて真面目に取り組んでいきます

と誓ってからすでに3日が経過してしまいました

人間ってなかなか変われないもんですね(・ω<)テヘペロ

というわけで泣いても笑ってもこれでお終いにする所存なので

今回は以下のジャンルに分けてぶわっと名古屋撃ちで振り返っていきます

〈アニメ映画〉〈アメコミ映画〉〈気になる日本映画〉

〈キテレツ韓国映画〉〈変態さんいらっしゃい映画〉〈モロ出し映画〉

なんか後半きな臭い気がしますが

はりきっていきましょう!

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〈アニメ映画〉

そういえばアニメの話を全然してませんでした

2017年のアニメ映画でまず思いつくのはこちらです

これはぜひ予告編をご覧ください

油絵が動いている

動いている!油絵が!

はじめてこの予告を見たときは正直我が目を疑いました

正気の沙汰ではない

ゴッホの死の真相を探るという話もよくできてましたが

そんなことはどうでもいいと言ってもいいくらい絵のインパクトがすごいです

一見の価値あり!

こちらも予告編をぜひ

日本を舞台に三味線で折り紙を操る少年KUBOの冒険時代劇

超クオリティのストップモーションアニメーション

こちらも正気の沙汰ではない

KUBOはちょっと「サッカー好きか?」とか聞いてきそうな名前ですが

三味線や折り紙といった日本ならではの道具がうまく使われていて楽しいです

みんなの先輩KUBOさん

コーラはペプシ派

以上2作品は開始3分くらいでどちらも泣いてしまいました

画面からみなぎる作り手の意気に感動したからです

アニメのよさはこの隅々まで人の意志がこもった画の手触りというか温もりではないでしょうか

劇場の起死回生をかけた歌唱コンテストをめぐる物語

歌のエンターテイメント性を思い出させてくれる文句なしの傑作です

このブログを書いてるとうっかり忘れそうになりますが

IN OUR TIMEは合唱団なので

これを見て団員は歌で人を楽しませるということを勉強すること!

他にも素敵な色と絵のソング・オブ・ザ・シーなど2017年は海外アニメが強かったですね

日本も鬼才湯浅政明が2か月連続で劇場アニメを公開するという

これまた正気の沙汰ではないことをしでかしましたが

その2作品夜は短し歩けよ乙女』と『夜明け告げるルーのうたはどちらも独自色はありつつもやや空振り気味でした

これは湯浅政明大好きっこである私の期待値が高すぎたからかもしれません

メアリと魔女の花?はて?

はい!アニメ一丁上がり!

次は毎年雨後のタケノコのごとく公開されまくるこいつら!

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〈アメコミ映画〉

私には子供のころ何度も何度もすりこまれた教えがあります

それは「頭カラッポのほうが夢詰め込める」という教えです

そんなCHA-LA HEAD-CHA-LAな映画がこちら

宇宙の“はみだし者”チームが暴れまくるシリーズ第2弾

前作はなんかごちゃごちゃうるさいなという感じでしたが

今作はなんかごちゃごちゃうるせぇ!イェァァァァ!っていう感じです

よくわかりませんか?

そんなときは我らが師ヒロノブ影山の言葉を思い出しましょう

そう「頭カラッポの方が夢詰め込める」のです

20世紀少年の私としてはカート・ラッセルとスタローンが出てるのも胸アツでしたね

次ィ!イェァァァァ!

ウルヴァリン最後の戦い

昨今のアメコミ映画ブームの火付け役となった『X-MEN』(2000)

あれから17年9作品に渡って指の又からアダマンチウムをはやし続けてきたウルヴァリンことヒュー・ジャックマン

ついに卒業の時を迎えました

だいたいあれですからね

ウルヴァリンって不老不死ですから

よく17年もやれたなって話ですよ

もう今回なんて思い切って老けさせちゃってますからね

何を思い切ったのかわかりませんが

17年の間にヒュージャックマンは押しも押されぬ人気俳優になりましたが

それでもこのシリーズには出続けました

時代的にはいまだにオダギリジョーが仮面ライダーやってるのと同じですからね

これはもうなんていうかすごいでしょう

映画としてはハードボイルド味がちょっと半端かなと思ったりもしますが

やはり敬意を表したい作品です

この他にもスパイダーマン:ホームカミング』『マイティ・ソー バトルロイヤルなどやっぱりマーベルは強かった

笑いと熱さのバランスがよくて公式を確立した感があります

対してアメコミ界2大巨頭のもう片方であるDCコミックスは苦戦中

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の空前の大成功を目の当たりにして

我もとばかりにDCエクステンデッド・ユニバースをぶち上げたのはいいんですが

興行収入はいいみたいなので私の感覚がずれてるのかもしれませんが

このままでは早晩熱心なファン以外からはそっぽを向かれてしまうんじゃないでしょうか

ちなみに上のなんちゃらユニバースっていうのはそれぞれ『アベンジャーズ』と『ジャスティス・リーグ』を中心として同じ世界観を共有している一連の作品群のことで

ちゃんと楽しむには全部見なきゃいけないという地獄のようなシステムになっています

映画界には他にも「トランスフォーマー地獄」や「ワイルドスピード地獄」、邦画だと「呪怨地獄」等々多種多様な地獄が確認されているので足を踏み入れる際は重々お気を付けください

閑話休題

こちらはアメコミではないですが

『鋼鉄ジーグ』は永井豪原作のアニメですがこれはイタリアの実写映画です

アニメの実写化というわけではなくてあくまでヒロインのあこがれのキャラクターとしてジーグが登場します

日本のアニメってヨーロッパでものすごい人気の作品があるんです

なんせ『UFOロボ グレンダイザー』なんてフランスで視聴率100%記録してますから

100%ってあんた…果汁じゃないんだから

しかしなんにせよこういうのはうれしいですね

よっしゃ!次!

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〈気になる日本映画〉

2017年の邦画の中からちょっと引っかかったものをご紹介

タイトルからして一筋縄ではいかない匂いがプンプンしてます

最果タヒの詩集の映画化ということでかなり挑戦的な内容です

ぶっきらぼうに自分の思いをしゃべりちらす男と女

この世界を彼らなりに言い表そうとする企て

出会いというよりはぶつかり合いと言った方がいいような2人の恋

この映画で引っかかったのは史上まれに見る自然な「え?」と「あ、」です

ふだん現実世界でものすごい頻度で発せられている「え?」と「あ、」ですが

自然な演技が称揚される昨今でもなかなかリアルな「え?」と「あ、」は聞いたことがありませんでした

というかこの映画を見るまであんまり気にしてませんでした

思考の前に反射で発せられたような「え?」と「あ、」は

登場人物のリアリティにこれ以上ない説得力を与えます

詩を発し続ける彼らのこれがリアルなんだと素直に受け止めさせてくれる「え?」と「あ、」

ある意味必聴です

別々の道を歩む三兄弟に降りかかる土地の利権問題はまあ置いといて

田舎が暗くて般若がこわい

これに尽きます

田舎の夜って本当に暗い

鼻をつままれてもわからない

茫然自失の女が闇に溶けていくシーンでその暗さがよく出ています

そして般若がこわい

さすがフリースタイルダンジョンのラスボス

役的にはラスボスというよりはチンピラに毛の生えたやつくらいなんですが

そのあふれ出るラスボス感で周りを完全に食ってしまいました

般若

職業:ラッパー、ラスボス

どこからが夢でどこまでが現実なのか

中2病が暴発したような痛々しさと青臭さがありますが

それもここまで高じれば一興

歯切れのいいイメージのつながりで楽しい映画です

特にOPとEDはばっちり決まってました

高橋一生は前髪を切れ!

他にはタイで撮影された映画制作集団「空賊」の最新作バンコクナイツ、さらに邦画ではないですが海外資本で日本人監督が撮ったリベリアの白い血』『ブランカとギター弾きが共に映画賞を獲得するなど海外での活躍が目立つ年でした

近年映画や音楽でガラパゴス化が進んでいるといわれる日本でこういう活躍は非常にワクワクしますね

お次は隣の国からどうぞ!

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〈キテレツ韓国映画〉

相変わらず韓国映画の充実ぶりは目をみはるものがありますが

2017年はちょっと奇天烈な映画が2本ありました

村で起きる猟奇殺人事件、見慣れぬよそ者、呪い、祈祷師

一体何が真実なのか

謎が謎を呼び続ける映画

まず特筆すべきは村に住み着いた謎の男・國村隼の怪演です

ふんどし一丁で山野を駆け回り、家では怪しげな儀式を執り行った結果

韓国で最も権威のある青龍映画賞で男優助演賞を外国人で初めて受賞しました

もうひとつはすさまじいゲロです

祈祷師であるファン・ジョンミンが呪いのようなものにあてられてリバースするシーンがあるんですが

これが思わず「お前はゴジラか」とつっこみたくなるほどのものすごい量と勢いで笑ってしまいました

あれほど見事なゲロは古今東西探してもなかなか見れないでしょう

比類なきゲロに与えられる”ゲロ・ブラボー”の称号を進呈します

こちらもミステリー

日本統治下の朝鮮を舞台にとある裕福な通訳のお屋敷にもぐりこんだ詐欺師グループの顛末

この映画何が奇天烈かと言うと

まず日本人や日本語ペラペラであるはずの人間がことごとく片言であるということです

もしかしたらその時点でのれない人もいるかもしれませんが

ここで切ってしまってはもったいない

そうこれはまだほんの序の口

片言に慣れてきたころ今度は物語自体がとんでもない展開をみせます

詳しくは言えませんが日本のTVだったら絶対に聞けない放送禁止用語が幼女の口から飛び出します

それも片言の日本語で

そのセリフが響き渡ったとき、劇場内の空気が一瞬で凍てつきました

そこから怒涛の卑語ラッシュ、濃厚なレズ描写、過激なバイオレンスが休む間もなく襲ってきて

終わるころにはクタクタのおひたしのような状態に

もし初デートでこの映画を見に来てしまったとしたら

気まずいことこの上なく変な汗をしとどにかく羽目になるでしょう

バカめ!

こんなヘンテコな映画もありつつ

子ども視点でいじめを描いたわたしたちや特急列車の中でゾンビがはしゃぎまわる新感染などまっとう(?}に面白い作品もありまだまだ韓国映画は楽しませてくれそうです

よし、あとはふざけるだけだ

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〈変態さんいらっしゃい映画〉

現実には遭遇したくない、でも見てみたい

そんなめくるめく変態さんたちの生活がこっそりのぞけるのも映画の魅力の一つです

当店では珠玉の変態を取り揃えておりますのでご期待ください

目の見えないおっさんが家に金貯めこんでるらしいからみんなで盗んじゃおうぜ!

と忍び込んだらそのおっさんがめっちゃ怖い人でしたという映画

何が怖いかってまずおっさんが強い

戦争で目をやられた退役軍人であり戦い方を知っている

電気を落として主人公たちの視界を奪うところなんかゾクゾクします

しかしそれの何が変態なのかと

これじゃただのサスペンスアクションじゃないのと

ご安心ください

当店看板に偽りはございません

後半このおっさんの真の怖さが明かされるんですが

すがすがしいまでの変態ぶりに震えましたね

思い出しただけで気色悪い!

どんな変態なのかは完全にネタバレなんで差し控えますが

とりあえず食事中に見るのはやめたほうがいいですね

あと牛乳飲んだり練乳かけたイチゴ食べたり…

うん、まあこの辺で察してください

黒人男性と白人女性のカップルが彼女の実家に遊びに行きます

家族は歓待してくれますが、しかし

この家何かがおかしい

黒人の主人公にとって心配は彼女の両親が差別主義者ではないかということ

しかしいざ来てみれば白人である家族よりも黒人の使用人たちがおかしい

変態を求めてやまない皆さんはこう思われるでしょう

いったい何が起きているんだ

そして何より誰が変態なんだ!

まさか全員変態なのか!?

巧みなじらし攻撃にヤキモキすること請け合いです

アメリカ社会に根強く残る差別問題をホラーで描いた作品ですから

底知れないこわさが後を引きます

この2作品以外にも巨匠ポール・ヴァーホーベンがレイプ犯を探す女社長の業を描いたELLEや元彼が自分を主人公にしたヴァイオレンスな小説を送り付けてくるノクターナル・アニマルズなど2017年も変態には事欠きませんでした

人間って…面白!!…

次でいよいよ最後!

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〈モロ出し映画〉

今回のメイントピックスです

これをやるために外伝を書こうと思ったくらい

いわばモロ出ししたいがためにここまで引き延ばしていたのでした

モロ出しって何が?

ナニがです

です。

そう

チンコモロ出し映画です!

すっきりしました

ありがとうございます

「フルチン」

その気高き孤高の境地

「無修正」

喧嘩はステゴロ、酒は生のまま、ナニはボカシなし

腑抜けた規制社会に風穴を開ける捨て身の2作品をご紹介します

一糸まとわぬその潔さを刮目して見よ

ちなみにポルノ映画をあげるわけではないのであしからず

まずは1本目(意味深)

カルト映画の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキーの自伝第2弾

こんな紹介しといてナニなんですがマジの傑作です

自伝でありながらマジックリアリズムで描き出される世界に度肝を抜かされました

前作リアリティのダンスでは少年期までを、今作は青年になったホドロフスキーの出会いと苦悩が語られています

巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー

モントリオール映画祭ビデオレターにて

言うまでもなくモロ出しである

さて問題のモロ出しについてですが容赦なしにボロンボロン出てます

ベッドシーンとかじゃなく日常の1コマとしてカジュアルに出てます

油断してるとすかさず出ますので気をつけてください

上映にあたって配給元であるアップリンクの浅井代表は映倫と争ってR18での無修正上映を勝ち取りました

これは歴史的快挙です

フルチンも映像表現において大切な意味を持っているんだと

表現の自由を覚悟をもって守った偉大な例になりました

↓上映までの経緯のまとめ

続いて2本目

不良しか住んでない団地、そこを仕切る凶悪なババアと孫兄弟

そこへモンスターがやってくる

本当に狂おしいほどにおバカな映画です

開いた口がふさがらないストーリー展開とケータイで撮影された謎の疾走感のある映像

『エンドレス・ポエトリー』とは違いこちらは映倫すら通さず裏街道をばく進

もうナニを出そうがおかまいなし

完全に無法地帯

そんな映画の一番の見どころは銭湯での乱闘シーンです

何十人もの不良たち(本物)がモロ出しで暴れまわる熱気と迫力は圧巻

正直何を見させられているのか全くわからない

おバカな映画は数あれどこのシーンによって映画史に燦然と輝く汚点をつけたことは間違いありません

映画館でこのシーンのメイキング映像が見れたんですが監督も当たり前のごとく全裸でした

そんでもってめちゃくちゃ楽しそうでした

モロ出し映画撮る監督はモロ出ししなきゃいけないルールでもあるのか

そもそもモロ出し映画ってなんだ

そういえばこの2作品はどちらも渋谷のアップリンクで公開された映画でした

これにはなにかしら秘め事めいた匂いがしますね

間違いない

アップリンクは意図的にモロ出ししている

なんていう斬新かつ大胆なコンセプトでしょう

これからも下半身露出系映画館として元気に屹立していてください

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さて長々とやらせていただいた「2017年の公開映画を振り返る」もようやく終わりです

最後の最後で私もおためごかしとパンツを捨て去ることができました

ありがとうございます

2018年はどんな映画に出会えるでしょうか

想像するだけで鼻水が止まりません

たぶん花粉症のせいです

次回は映画館の紹介でもしようかな

また後輩が竹内力にならないよう願って

それでは!

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